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苅谷 剛彦山口 二郎

岩波書店
グループ:Book
ランキング:7551
価格:¥ 504
発売日:2008-06
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カスタマーレビュー

薄いながらも中身は濃い  (2008-09-18)
 苅谷氏の本は初見であったが、確かな政治学者である山口氏が共著するだけある教育学者だった。
 前半の苅谷氏の公演を読み、格差を「不平等」と言い換えるセンスのみならず、国家予算と事務教育費、双方の伸び率が比例しない点、PISAの数学力変化グラフで、学力の低い子が更に低下した点、やがて来る教員不足などの指摘などを読み、実際にそれを聞きたくなった。

 対談部分でも、フィンランドモデルを紹介する本を時折目にするが、北欧型でも能力が高くても職に就けないとの問題点を、指摘しているのを目にしたのは初めてだし、「良い事てんこ盛り」な教育政策の矛盾についても考えさせられた。

 教育は、経済政策などと異なり、短期軸で考えるのではなく、長期的視野でよりよい方向へと教育を変えていきながら、、問題点をそのつど改善していかねばならぬものなのだ。

学力低下は学力二極化!たった3年で「できない子」の学力がますます低下  (2008-07-29)
学力低下に関して、
「順位低下は参加国が増えたから」とか
「錯覚」だといった誤った認識が広まっている昨今、
本書p.20で取り上げられている
「PISAの数学学力の変化」を見てみると、
2000年から2003年のたった3年間で、
できない子(下位25%)の学力が40%も落ちていることがわかる。
つまり、学力低下=学力下位層の大幅な学力低下=学力二極化なのだ。
「ゆとり教育ができない子をますます低下させている」
という指摘は、そういう意味で正しかったことを示しているだろう。

本書ではこうした学力問題が中心となる論題ではないが、
特に学力下位層へのケアを含めた「教育の平等」について、
国や都道府県レベルでの教育予算の少なさを指摘している点や
これまでの教育改革の「ポジティブリスト」的な発想の転換を促す点など、
今後の格差社会と教育改革の問題について目指すべき方向性を示す一冊であろう。