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信山社出版
グループ:Book
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価格:¥ 3,045
発売日:1998-08
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憲法史というよりも、近代史そのもの
(2008-04-22)
この本は、以下の6つの対談を収めたものです。
1 法政思想の世界(山室信一・大石眞)
2 井上毅のすごさ(木野主計・大石眞)
3 憲政史と政治史(坂野潤治・長尾龍一)
4 国体と憲政の妥協と闘争(伊藤隆・長尾龍一)
5 「外地人」とは何か(古川純・高見勝利)
6 国法学から憲法訴訟論へ(芦部信喜・高見勝利)
基本的に、括弧内の左の学者の研究成果を右の人が聞きつつ、議論を進める形になっています。憲法の成立や憲法と関わる議論(統帥権干犯、天皇機関説、国家総動員法など)を、政治史、行政史と絡めて議論しています。日本近代史そのものともいえる、重要な議論だと思います。
6は芦部憲法学を説くもので、これはやや異質ですが、その他、新しい知見いっぱいの好対談となっています。特に、2・3が興味深かったです。
2では、井上毅の、植木枝盛に与えた影響や陸奥宗光に独り占めされた形になった不平等条約改正における功績を述べています。
3では、坂野さんが、政治史における総選挙の重要性を強調しています。たとえば、1930年のロンドン軍縮問題に関しては、「総選挙で民政党がロンドン軍縮を訴えて、男子普選ですから、国民の支持を得て勝ってきたときには、ロンドン軍縮が軍令部長の反対を押(ママ)さえてできてしまう」(96頁)。
また、いわゆる二大政党だった、民政党と政友会は、互いに矛盾することをしていた、ということも述べられています。民政党は、反軍姿勢を持っていた一方で、退職金積立法案では、内務省案を骨抜きにして資本家有利の修正をし、政友会は、総選挙で勝った政党が政権をとるべきだという「憲政常道」(天皇機関説と親和する)を訴えていながら、軍部とともに美濃部攻撃をするという具合です。
どうでもいいことですが、帝国憲法第5条
天皇ハ帝国議会ノ協賛ヲ以テ立法権ヲ行フ
は短歌同様三十一文字になっていることが指摘されています。
