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高橋 洋一

東洋経済新報社
グループ:Book
ランキング:56756
価格:¥ 1,680
発売日:2008-09-11
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カスタマーレビュー

「日の丸官僚」への熱いエール  (2008-12-02)
主権在民の当然の帰結として、有権者の付託を受けた政治家が国家の操舵に責任を負う
「真の議院内閣制」。
そして省益に囚われず真の国益のために粉骨砕身する「日の丸官僚」。
それらの実現のために公務員制度改革に奮闘する著者は日本の希望と言っても過褒ではない。
彼のような人物を輩出した我が国官界もまだ捨てたものではないと思えてくる。

渡辺喜美行革相(当時)らの獅子奮迅の活躍と、
国益のため党利を捨てた民主党の歩み寄りにより
国家公務員制度改革基本法は本年成立したが、具体的な肉付けはこれからである。
我が国を蝕む病弊である「省庁割拠主義」は打破できるのか。
キャリア制度(実際には単なる慣行で制度ではないことも本書を読めば分かる)は廃止できるのか。
改革に成功した他国に学ぶことができるのか。
今こそ政治の「鼎の軽重」が問われている。
にも拘らず安倍・福田・麻生と内閣が替る度に抵抗勢力の反攻が強まるのと反比例して
首相の改革意欲が減じているように見受けられるのは憂慮に堪えない(こと公務員改革に関しては、
麻生首相より福田前首相の方がまだましだったと言わざるを得ない)。

さて、過激とも思えるタイトルとは裏腹に、
著者の意図が「官僚叩き」などではないことは、本書を読めば一目瞭然である。
グローバルな競争が激化する現代において霞ヶ関が持続可能な組織へと脱皮し、
真に有為な人材を集め、その士気を高めるため、
著者が「壊せ」と言っているのは霞ヶ関そのものではなく、
制度疲労を起こし最早立ち行かないことが明々白々な、腐った現行システムなのである。

本書は「真の議院内閣制」を支え、我が国を再生させるために、
明敏な知性と溢れる情熱を惜しみなく国家に捧げてやまない、
まだ見ぬ「日の丸官僚」へのエールであり、評者のこのレヴューもまた然りである。
評者が個人的に交友ないし知遇を得た若手・中堅官僚はいずれも熱意と廉直さに溢れている。
そういう未来の「日の丸官僚」にこそ、本書を読んでもらいたい。

(追記)
評者は以前、別の書評で「天下り」という語は官尊民卑的なのでやめるべきであると書いた。
普通に「民間転出」(民転)、「特殊法人転出」(特転)、総称として「官外転出」はいかがであろうか。

世間がこの問題への関心を失うのは危険な兆候  (2008-10-19)
本書が発行される頃には、今般の金融危機がここまでの事態になることは、想定されていなかったことだろう。
そのため今や、多くの国民は公務員制度改革への関心を失っているのではないか?
そのことは非常なる問題だと思われる。

例えば本書中にある「完全民営化」と「完全に民営化」の違いなど、一般国民などどうやって知り得るというのか?明日の日本のために、公務員制度改革は不可欠の問題であることは間違いなさそうなのだが。

官僚内閣制を打破せよ  (2008-10-16)
まず現在の官僚制度の弊害をピックアップすると
・キャリア制度によって昇進がキャリアとノンキャリアとの間ではっきりと隔たりがある
・天下りとそれによる特殊法人への莫大な税金の無駄遣い!
・省庁の縦割り行政、それによる省庁お互いの情報連絡が取れない、閉鎖的
・年功序列 など様々な弊害を生み出しています。


今回の公務員制度改革基本法は
・内閣人事庁創設
・幹部候補の名簿作成は内閣人事庁に所属、各省に併任
・政官接触 政務専門官を置き、規制導入
・キャリア制廃止
・労働基本権  協約締結権の付与について検討  を骨子としています

これで何が変わるのか?というと官僚が独裁的に情報を握り、大臣を操るという手法を
やりづらくなります。
キャリア制度は国家公務員試験第1種を合格した順位でその後の仕事の業績に関係なく
事務次官や局長へなれるかどうか予めわかっている。ノンキャリアではまず無理。
これを専門職や一般職に改めて全ての国家公務員にトップまでの可能性を与えたことになります。
ちなみに以前までの国家公務員の留学資格はキャリア組にしかありませんでした。

内閣人事庁の設置とは
縦割り行政を行なうと次官とお金のコストが莫大なので、各省庁水平的なつながりを
もたせるようにここに国家公務員の所在を決めて、実際にいる省庁はただの現住所となります。つまり財務省や外務省だとその役人が偉そうな態度を他の省庁の役人にとる事は
なくなります。

今後の課題はまだ法案の段階の「天下り」の廃止です。
これをなぜ先送りにしたかというと、これをすぐさま実施すれば今までのように
国家公務員を止めずに定年までずっといる人々が増えるから。今までは事務次官になるまで
の間に同年代に入省した者は出世した者が出ると同年代は皆止めるという慣習があったからです。

本のつくりが雑  (2008-10-13)
 残念ながら、いまいちな内容だと思います。この本は、『さらば財務省』でも言及されていた、筆者が関わったとされる公務員制度改革について、より詳しく説明した本ですが、致命的なのは、読み物としてあまり面白くないことです。
 政策立案担当者が書いた本なので、制度の大枠の説明はされていますが、視点が狭く固定されており、また臨場感にも欠けるので、そこが面白みに書ける理由になっているのかもしれません。いっそのこと、教科書的なつくりにしてしまえば、より評価の高い本になった気もします。。
 他に、マイナス点を上げるとすれば、『さらば財務省』にもいえることですが、文体が読みにくいです。この本は特にその特徴が大きくでている気もします。
 加えて、項目立てはしっかりしていますが、全体として、本のつくりが大雑把です。中身をみれば、一目で分かります。もう少し、時間をかけて、教科書を目指した方がよかったかもしれません。
 この本を端的に説明すると、項目立て読めば、それで十分だし、お腹いっぱいになってしまう本、とでもいえるでしょうか。