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アイテム詳細

藤原 正彦

新潮社
グループ:Book
ランキング:16736
価格:¥ 460
発売日:1994-06
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カスタマーレビュー

壮年数学者の英国留学体験記  (2008-07-29)
本書は、平成3年10月に新潮社より単行本として刊行されたのを文庫本化したものである。文部省の長期在外研究員として1987年8月から一年間、ケンブリッジ大学に滞在し、さまざまな学者や学生たち、近所の家族たち、こどもの学校のつきあいなどを素材に、読みやすいエッセイを書いている。

読んで印象に残っているのは、本書でたびたび出てくる「ユーモア」という言葉。それは英国独特の無常観に裏打ちされている。対照的に、著者はアメリカ留学体験もあり、ついジョークを飛ばしてしまう。それを藤原夫人がたしなめる。そのやりとりは読んでいて微笑ましい。

また、日本人には理解しがたいかもしれないが英国の階級社会。まるで映画に出てくるようなデフォルメされた卑しさのままに行動する人たち。ロワークラスを煽動するかのような大衆紙。荒れた公立学校。上流の人は下流の人たちをどういうふうに見なしているのだろうなどと考えた。

同じようでいて自分たち日本人との文化の違いを意識させられたりで、読んでいて退屈しない。

VS ハーバードMBA留学記  (2008-06-16)
"ハーバードMBA留学記"(岩瀬大輔著)が面白かったので、
英国への留学バージョンとして知人に勧められ購入。
この2冊は比較されることもしばしば。
"ハーバード〜"は米・MBAへの留学ブログを編集したのに対し、
"〜ケンブリッジ"は英・数学科への留学体験記。
一つの本として評価したとき、こちらの方が完成度は高い。
藤原氏の数学者と思えぬ文章力には感服。
紳士だがこちらから絡むとほぐれてくれる英国文化の性質が、
はっきりと分かった気がする。
それだけではなく、時折挟まれる藤原氏独特の人生観もとても参考になった。

英国に留学したいと考えてる人に強く薦める一冊です。

イギリスから学ぶこと。  (2007-12-21)
 相変わらず面白い文章を書くので敬服しますね。「若き数学者のアメリカ」のとおり20代後半からアメリカ被れになった著者が、40歳を越えてからイギリスで1年間暮らして判った両国の違い。宗教、マナー、騎士道、人種差別、男女関係など等色々な観点から違いを感じていく。読んでいると結構イギリスに行って見たいような気がしてくるものである。食事の拙さが判っていてもね。経済の話題はアメリカだし、食物はフランスだし・・・。今までのアメリカ万歳からイギリスを通して日本の良さを再認識していったという流れは興味深いですね。ホントに日本は単純なアメリカ指向が是正されない国なのかもしれません。むしろアメリカよりも伝統を壊していくのが平気なのでは?と感じる昨今ですが・・・・。「国家の品格」にあるように武士道や日本語教育は大事ですね。

才能があったり,コネがあったりすると,いいなぁ  (2007-03-22)
数学者としては文章は読ませる。文章は,種類こそ違え,森毅と同じくらい面白い。「遥かなるケンブリッジ」という題名も素人にはイメージ喚起的だ。最初の2章はイギリスの門前で,第三章から第九章まででイギリスに入場しており,最終3章で,溶け込んだイギリスの感想を述べるという構成。

イギリスの大学の様子や数学者たちの人間的な側面などがよくわかるが,私などは業界の人間ではないので,世界規模で有名な人物の人となりもただの登場人物に過ぎない。藤原のイギリス(人)評価は,イギリス人数学者には当てはまるかもしれないが,下層のイギリス人にはまずは当てはまらないだろう。国民性評価なんていい加減なもんだ。言いたい奴らが言いたいように言って,納得したがってる奴が納得しているという構図で,これといって根拠がない。統計的なウラなんかまずはない。そもそも,たとえば“国を理解する”という状態を成り立たせる条件はいったいなんだろうか? もしその国に住むことが条件であったりすれば,殆どの人に国は理解できない。とすれば,評価はまず不能だ。頭が悪くとも,こっちは向こうに住んできたんだ,だから僕のほうが正しい,なんて凄まれれば,周囲がアホなら勝てる見込みはまずない。もっとも,勝つことには意味はないのだが。

本書は1988年7月刊行の(ってことは帰国と殆ど同時)文庫本化。解説は南木圭士(作家・内科医)(1057字)

秀逸なエッセイ  (2007-01-31)
藤原氏のエッセイは「若き数学者のアメリカ」に続いて2作目です。
アメリカ留学時は独身だった著者も、妻を迎え、3人の子供の父親となっており、その分視野がぐんと広がっています。誰が読んでも価値あるエッセイだと思います。

自分の大学の同僚、隣人、家族を通しての友人のイギリス人たちとのユーモアあふれる会話。
天才的数学者リチャードの「イギリスで最も大切なのはユーモアだ」という言葉通り、彼らが藤原氏とのユーモアあふれる会話を楽しんでいた様子が目に浮かぶようです。
その会話から読み取れるイギリスとイギリス人の様子。著者の押し付けがましいイギリス観などはありませんが、数々の会話から、イギリスというものを、読み手が自然と考えさせられるような、すばらしいエッセイです。

特に大学の授業、教授達、学生については詳しく書かれており、留学される方には参考になるのではないでしょうか。

文章もいきいきとしていて、とても読みやすいです。