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アイテム詳細

麻生 太郎

幻冬舎
グループ:Book
ランキング:111881
価格:¥ 1,680
発売日:2007-06
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カスタマーレビュー

おそらく総理がご自分で書かれた理念の書  (2008-09-24)
財界の偉い方々などでは編集者に書かせたりすることもあるのに、
この文体、レトリック。
おそらく、総理ご自身が書かれたものだと思う。
外交を地政学的に理解し、外交、経済など
理念をもって語られる文には感心する。
少し文体に硬さはみられるけれど、
日本の可能性を示したいい本だと思う。

日本外交を多少評価できるがいまいち。。。。  (2008-01-25)
麻生太郎氏に興味が湧いたので読んでみました。この本は氏の小泉政権時代の外務大臣の頃のスピーチ集との事なので成功談が多い。今まであまり評価してなかった事など、記載されており、外務省も多少評価出来る事(中東系やインド支援など)はあるのだなと想ったが、日本外交は、南京虐殺と言われる問題での駐米大使の無能さや、中国で主権侵害を受けながらへらへらしている恥さらしぶり、また北朝鮮拉致問題での国民の生命を守る義務の放棄ぶり(個人的には「金大中氏拉致」を黙認してからなめられてると思うが。。)や外務省職員はアルバイト感覚職員ばかりと噂される今日、あまり信じられない。この手の本も結構だが、外務省が過去の失敗から何を学び、職員の意識や業務改善を行っているのかが知りたいし、それをアウトプット出来なければ、国民の信頼回復は永遠に出来ないと想う。
また、麻生氏に関しては「漫画外交」などと言われたが私は評価しているので、独自性を持ち公共の幸福を考えた政治家で在り続けてほしい。ただ、本はもう少し客観的な資料等を交えて書いてほしい。

日本外交の臨場感  (2007-10-18)

 麻生氏が外相の頃に出版したスピーチ集。
 ここで主に表明されているのは
  1.自由と繁栄の弧
  2.価値の外交
 という、外務省が打ち出している新基軸についてです。

 自由と繁栄の弧、とは北欧五カ国、バルト三国、中・東欧諸国、GUAM諸国、中央アジア、イスラム圏、インドシナ半島、朝鮮半島、モンゴル、日本といった、まあ平たく言えばロシアと中国を迂回して、ヨーロッパと日本をつなごうとすれば、下の迂回しかないから弧(arc)になるという、そういう地域を重視していこうということのようです。
 何しろ大多数の国が入ってしまうし、中国やロシアをいつまでも除いたままで「自由と繁栄」を謳うのも現実的ではないでしょうから、これは日本外務省が国際関係をこれまで以上に重視していくという宣言のようなものだと思えば良いでしょう。

 日本は交易により成り立っている国であり、その成功は世界の経済システムが正常に機能していることが前提条件となります。その為に、日本もできるだけの貢献をしていこうということの決意表明です。
 まあそれは良いとして。

 もう一つの「価値の外交」には、やや慎重に考えなければならない側面が含まれています。
 これは「市場経済、自由、民主主義」などの「普遍的価値」を世界に根付かせていくことに外交の中心軸を置こうというもので、例えば民主主義を取り入れようとする国に対して積極的な支援を、まあ短期的な損得なしに(長期的に、そういう世界を作ることが日本社会の安定的成長という果実として返ってくるという姿勢で)しましょうということです。

 さて、「普遍的価値」だって?
 これをオフィシャルに語るということは、もちろん大変危険なことだといえます。
 およそ一元的な世界観。物事を善悪の二項対立で分ける価値観というものは、9.11以降のアメリカの対応を見ながら、うんざりしている人も少なからずいるものと思うのですが(映画『ロード・オブ・ザ・リング』に表れていたこの二項対立世界観の単純さは、控えめにいっても驚くべきものだった)、その善の側に立ったつもりで日本も世界を「啓蒙」していこうという、まあそういう姿勢でしょう。
 これは西側のパラダイムの枠内でのみ通用する論理と発想であって、確信犯なのだという自覚を常に頭の隅においておかなければ、危険なことです。現に中国やロシアの国々はこのパラダイムの発想の中では出てこない。麻生さんのスピーチでは「中国の成長は歓迎するが、それは民主化するという前提条件の下でのみである」と触れられています。
 つまり「普遍的」なのだから、その枠に当てはまらないものは拒否せざるを得ない。
 
 今は西側パラダイムが現実的に大きな影響力を持っているから、そういう政策が合理的に映るのであって、これは「普遍的」ではなく「今のところ、一番リスクの少ない価値観」とでも捉えておかなければならないはずです。それをこうしてオフィシャルに発言しており、他国も諸手を挙げて歓迎していることが、今の国際政治の現況であるのだなということは、事実観察として大変参考にはなります。

 但し、全面否定する必要はないと思います。
 そういう留保条件を忘れてはならないということであって、これまでに比べれば日本外交が大きな一歩を踏み出しているというのは事実なのだろうと思いますし、その臨場感を組み取れる書物として、一義的な価値は充分に持っていると感じた一冊です。

もっと麻生氏の根本的哲学を知りたい  (2007-10-08)
「とてつもない日本」に続けて読んでみた。
ご自身も書かれているように、自分のホームページや外務省のウエッブに掲載された各種会合のスピーチがメインとなっている。そんな訳で特別、画期的な私案やプログラムがあるわけではない。
外務大臣として外務官僚を束ねて、日本の国益を守る姿勢は理解できるのだが、タイトルであるユーラシア大陸周縁の「弧」の重要性はすでに語られているところであり、特に中央アジア外交は佐藤優氏により詳細にその重要性が書かれていたと記憶する。
麻生氏が考える外交とは、国民に、地に足が着き、身の丈の合った、穏やかな自尊心を植え付ける仕事でもあるます。外務大臣として、日本人を元気にし、自信をもたせる外交を心がけ、そのための外交を心がけ、そのための言葉を幾万言なりと語っていきたいと思います。(p41)の様です。また
Peace and happiness through economic prosperity.(経済の繁栄を通して、平和と幸福を)、これこそ戦後日本で、60年間、我々日本人が、いわば一心不乱追求してきたモットーではありませんか。と書かれれている。果たしてこの市場経済主義が本当に世界を幸せにするのか?麻生氏の哲学はこの事には触れていない。また、「弧」に含まれるインドに対して世界最大の民主主義国家だと言うが、果たして未だカーストの差別が続く(制度自体は廃止)インドが真に民主主義国家なのか?
また漫画好きな麻生氏が週刊ジャンプの編集方針が「友情、努力、勝利」であることを引き、日本人が大事にしてきたモノの考え方は色濃く出ていると指摘している。果たして勝利することは近隣諸国の友を幸せに出来るのだろうか。
漫画は確かに日本の文化であり良い面もあるだろう(養老さんも大の漫画ファン)がまずはしっかりした書を我々は読むべきなのだろう、養老さんの様に。

プレゼンに工夫  (2007-07-06)
主張の要旨は以下のとおりと了解しました。
・冷戦終結後、基本的には民主主義と自由経済が社会の安定と繁栄をもたらす最適システムであることが証明された。何より今日の日本がその証左。
・長い目で見れば中国も含めて民主主義・自由経済の潮流にあることに疑いはない。今や国際社会のメジャーなメンバーとなった日本。このシステムを従来の米だけでなく、欧州とも協力強化し、その中間地帯にある状況変化の激しい中央アジアや中東地域(目覚しい経済発展・政治的不安定を抱える)で推進、展開していくべき(「自由と繁栄の弧」)。
・その際、日本の持つ、過去の経験・知識、先端的技術、労働倫理や更にはポップカルチャーまでを含む文化、人材は(欧米にはない独自の)武器となる。こうした展開による世界の平和と繁栄が日本の国益となる。

中・露が「孤」にはいっていないところがポイント。両国に世界の熱い視線が集まる中、日本の存在感を示すテーゼと言えます。

いずれにしろ、内容に特に目新しいものはないような気がしますが、豊富な具体例とデータで面白おかしく、興味をそらせないように書かれている(話されている)ところがミソかと思います。プレゼンに工夫があるなあ、というのが印象でした。