法務・検察当局が、取り調べの録音・録画の対象となる事件の大幅な拡大に前向きになった背景には、約1年半の試行の結果、「自白の任意性の立証に有効」と自信を深めていることがある。市民が加わる裁判員制度では「分かりやすい立証」が求められ、運用拡大は自然な流れだ。
裁判員制度の対象となる殺人などの重大事件が、原則として録音・録画される見通しになったことで、今後は、取り調べの全過程を録音・録画する「可視化」の是非が大きな議論になりそうだ。
全面録画を巡っては、「容疑者が萎縮(いしゅく)し、本来の取り調べができない」などと検察内部にも反対論が強い。14日の公明党提案でも、真相解明や関係者の協力が阻害される可能性のある組織犯罪などは録音・録画の対象から外した。しかし、日本弁護士連合会は「検察に都合いい部分だけが撮影される恐れがある」として全面録画を訴えている。
相次ぐ無罪事件を背景に民主党も可視化実現のための刑事訴訟法改正案を参院に提出しており、現在の運用の拡充を待つ自民・公明両党とは認識に大きなずれがある。
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