政府は7月に北海道洞爺湖で開かれる主要国首脳会議(G8サミット)の期間中、会場を中心に飛行禁止空域を設定し、ハイジャックされた民間航空機が会場の各国首脳を標的にする航空テロを警戒することを決めた。飛行禁止空域は半径約55キロ(30カイリ)とする方向だ。航空自衛隊の空中警戒管制機(AWACS)や海上自衛隊のP3C哨戒機、国内のレーダー網を駆使し、テロの兆しがあれば、会場から各国首脳を速やかに退避させる。
政府関係者によると、会場の「ザ・ウィンザーホテル洞爺」は標高約620メートルのポロモイ山頂にあり、前方は洞爺湖のため、陸は比較的警備しやすいという。ハイジャック機による航空テロを防ぐため、サミット期間中は同ホテルを中心とした半径約55キロの空域では、民間航空機を飛行禁止とする。ただ、軽飛行機やヘリコプター、無線操縦の模型飛行機は規制できないため、飛行しないよう注意を呼びかける。
国内空港の警備や手荷物検査を強化するほか、民間航空機に警察官が搭乗するスカイマーシャルなどによってハイジャックを未然に防ぐ。
航空テロ対処について石破防衛相は「あらゆる事態を想定して検討を行っている」として、自衛隊による迎撃が可能か検討していることを示唆した。石破氏の念頭には、サッカーのワールドカップ(06年)やハイリゲンダム・サミット(07年)を控えたドイツで04年9月、民間機を撃墜できるように連邦議会が「航空安全法」を改正したことがあるとみられる。
だが、06年2月、ドイツ憲法裁判所は、防衛軍の国内への投入は災害や重大事故の場合に限られ、人間の尊厳などを定めた憲法に違反すると判断した。ハイジャック機の撃墜は乗客や付近住民の犠牲を前提とするだけに、洞爺湖サミットでの「実現可能性はゼロ」(日本政府関係者)。機密情報をもとに首脳を避難させる「逃げるが勝ち」作戦をとることになった。
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