2008年1月アーカイブ

 「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」(座長・岡村正東芝会長)は31日午前、首相官邸で会合を開き、政治家と国家公務員の接触制限などを盛り込んだ報告書を正式に決定した。近く福田康夫首相に提出する。報告書は、各府省の管理職以上の人事を一元的に行う「内閣人事庁」創設を打ち出し、設置法案を09年通常国会に提出すると明記。内閣機能の強化に向けた政府の具体的な取り組みを促している。

福田首相が打ち出した消費者行政の「司令塔」となる新組織の構想に、「霞が関」の中央官庁が戦々恐々としている。規制権限から人員、予算まで、新組織に奪われかねないためだ。官僚らの抵抗感は強く、首相が掲げる「消費者重視」の旗印も実現は容易でなさそうだ。
 福田首相の意向を受け、自民党消費者問題調査会がまとめた中間報告では、新組織の形として、新省庁の設置、内閣府国民生活局の行政委員会化などの案が示された。経済産業省は、この新組織構想を「省の死活問題」と警戒する。
 経産省は、規制緩和の流れの中で権限を手放してきた。残る規制分野も、資源エネルギー庁や原子力安全・保安院など「外局」が中心で、経産省本体は「生きる道」として消費者行政に力を入れている。
 きっかけは、一昨年発覚したパロマ工業製のガス湯沸かし器による死亡事故。事故の報告を受けていながら、省内の連携不足で対応が後手に回った。製品の安全だけでなく、住宅リフォームの詐欺事件など悪質商法の対策も強化。甘利経産相は「製品や業界を担当しているから、改善指導と表裏一体の行動がとれる」と、現体制の優位性を強調する。
 農林水産省も新組織には慎重だ。若林農水相は「消費者からの情報提供が非常に大事で、たらい回しにせず、組織が一体となってすぐ行動することが重要だ」と力説。背景には、同省の「食品表示110番」が一定の役割を果たしていることに対する自負がある。
 食品偽装などの情報提供は、昨年6~12月で3196件。前年同期比の4倍だ。三重県の「赤福」の偽装事件も「110番」がきっかけだ。
 食中毒などの健康被害を監視する厚生労働省の幹部も「相談窓口を内閣府あたりに一本化して対応を各省庁に割り振れば済む話ではないか」と、新組織に否定的だ。
 自民党の調査会案は、新組織の機能として、消費者の相談窓口、省庁間の政策調整、勧告権限などを示した。各省庁の権限縮小や予算、人員の削減の記述はあいまいで、省庁には「消費者行政の一元化とは認識していない」(経済官庁幹部)との楽観論もある。
 だが、町村官房長官は、29日の記者会見で「法律や予算、人員が本当にその組織に何が何でもなければならないものかどうかは、もう少し頭を柔らかく」と、省庁再編の可能性を示唆。独立行政法人改革に続き、「霞が関」の抵抗が今後活発化しそうな雲行きだ。

霞が関、戦々恐々 首相肝いり「消費者庁」構想

 石破茂防衛相は29日、閣議後の記者会見で、防衛省改革に伴い内局(背広組)と自衛隊各幕僚監部(制服組)を統合する考えを改めて示し、「(組織を)機能で分けるとどうなるか、いろんな可能性がある」と述べた。防衛省・自衛隊を、防衛政策、作戦などの機能別に再編したい意向を明らかにした。再編案を防衛省案としてまとめ、官邸主導の「防衛省改革会議」に近く提示する方針だ。
 防衛相は「組織の基本的な枠組みができてから変わっていない。今のままでベストかの議論は必要だ」と、組織改編の必要性を強調。「文民統制する側として得た教訓を(改革会議で)申し述べる責任がある」と述べた。【田所柳子】
石破防衛相:省再編案を近く提示 背広組と制服組統合へ

 民主党の小沢一郎代表は22日の記者会見で、スイスで開かれる世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」への出席の有無をめぐり混乱したことについて「二転三転したのはマスコミの方だ。最初から私は『行くかどうか分からない』と言っていた」と強弁した。

 その上で「国会の状況もあり出席の予定は立てていない」と不参加を“正式”表明。新テロ対策特別措置法成立の際の衆院本会議採決は選挙応援を理由に退席したが、今回は国会を優先した。

 「体調がすぐれない」ことが欠席理由の一つとされていることについては「あなたたちも65歳になってみれば分かる。若いときのようにあちこち走り回れなくなる」と説明。さらに「選挙なら我慢してでもやるが、しょっちゅうやっていたら、会いたいあなたたちに会えなくなる」と珍しく軽口でかわした。

二転三転はマスコミの方 小沢氏、ダボス欠席で強弁

 福田首相は23日の参院本会議の代表質問で、海外の反捕鯨団体が日本の調査捕鯨船に妨害行為を繰り返している問題について「許し難い違法行為だ。再発防止へ政府一体で取り組む」と述べた。調査捕鯨については「合法的な活動だが、捕獲や調査の適否、やり方について異なる考え方がある。感情的な対立に流されず、冷静に科学的議論を行うことが重要だ」と述べ、反対国の理解を得るよう努める考えを示した。自民党の鶴保庸介氏に答えた。

 また、民主党が掲げる農業者戸別所得補償制度について、首相は「必要としている1兆円の積算や財源が明らかでない。すべての販売農家を対象とし、地域農業を背負う担い手が育成されない。国内農業の体質強化につながらないのではないか」と批判した。民主党の工藤堅太郎氏に答えた。この日は公明、共産、社民各党の代表も質問した。

首相、調査捕鯨妨害「許し難い行為」

 福田首相の施政方針演説に対する各党代表質問が21日、衆院本会議で始まった。首相はガソリン税の暫定税率延長問題について「道路整備など必要な対策を実施するために財源確保が必要だ」と述べ、暫定税率を維持する考えを改めて強調。「(衆参の)ねじれ状況でも予算や税制、法制定を着実に実施し、国民生活に影響がないようにするのは政治の責任だ」と述べ、参院第1党の民主党に協力を求めた。

福田康夫首相は18日午後、衆院本会議で就任後初の施政方針演説を行った。2008年を「生活者や消費者が主役となる社会」に向けたスタートの年と位置づけ、消費者行政の一元化に向けた「強い権限を持つ新組織」を発足させるとともに、消費者行政担当相を常設する方針を表明。

年金記録漏れ問題については、あらためて陳謝した上で、自身の内閣で解決するよう全力を尽くす姿勢を鮮明にした。
また「野党の意見も積極的に取り入れながら、責任ある政治を遂行することに、引き続き全力を尽くしていく」と述べ、衆参で与野党が逆転するねじれ状態の中で、重ねて野党に国会運営への協力を求めた。

首相の施政方針演説

自民党は17日午前、東京都内のホテルで定期党大会を開いた。就任後初の党大会となった福田康夫首相(総裁)は「国民の政治不信、自民党への不満を痛感する。国民は政治、行政に憤っている」と述べ、強い危機感を表明した。その上で「すべての法律や制度を国民や消費者の立場に立ったものに見直す。消費者、生活者が主役となる社会の転換点だったと振り返ってもらえる年にしたい」と訴えた。
 大会では「立党以来の最大の危機に直面している」との運動方針を採択。重点政策のトップに格差是正を据えた。次期衆院選が年内にも予想されることから「どんな逆境でも勝ち上がる強じんな体制を構築する」と組織再建を掲げた。太田昭宏公明党代表は来賓あいさつで「選挙含みの年だ。責任を持って国民のために戦うのは自公連立政権だと満天下に示す1年にしたい」と述べた。

自民党大会:福田総裁「国民の政治不信、党への不満痛感」

民主党の定期党大会が16日、横浜市のパシフィコ横浜で開かれた。「参院選で約束した『国民の生活が第一』を実行するため、総選挙に勝利し政権交代を実現する」とうたった08年活動方針案を採択する。
 また「勝てる候補」を重点的に支援し、300小選挙区のうち150選挙区での勝利を確実にするためとして全選挙区での擁立方針を転換し、野党間協力の重視を打ち出した。
 鳩山由紀夫幹事長は「国民の声が半分は通るようになったねじれ国会は半歩前進だ。衆院選で勝利してねじれをなくす」と強調。道路特定財源の暫定税率撤廃について「地方に一切迷惑をかけない。国民を向いた政治をつくる」と理解を求めた。
 質疑では、青森県の県連幹事長から「地方では道路ができないと言って、自民党や自治体の首長が民主党を攻撃しようとしている。道路ができる説明をしっかりしてほしい」などの意見が出た。小沢一郎代表は、衆院選の公認内定者らとの写真撮影のため、午前中の質疑は欠席した。
 これまで党大会は2日間の日程だったが、「選挙集中財政を確立する」として1日に短縮し、イベントなども行わず節約を図った。

民主党:「大都市重視」に…衆院選対策修正 党大会

町村官房長官は15日午前の記者会見で、民主党が主張しているガソリン税の暫定税率撤廃について、「地球温暖化対策でエネルギー価格は環境税を課してでも上げなければならないと世界中で言っている最中に、これを下げるという選択が国際的に認められるのか」と述べた。福田首相が7月の北海道洞爺湖サミットに向け、温暖化対策に力を入れていることを踏まえ、道路建設の必要性だけではなく、環境対策の観点からも税率維持を訴えていく姿勢を示した発言だ。

地球温暖化対策でもガソリン税維持 官房長官語る

町村信孝官房長官は10日午前の記者会見で、福田康夫首相が地球温暖化防止に向けた途上国への新たな資金援助策を近く発表することを明らかにした。政府は地球温暖化緩和支援などの目的別に5年間で100億ドルの資金援助を実施する案をまとめており、通常国会冒頭の施政方針演説や出席する方向で調整している世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の演説などで首相が表明する。
 ダボス会議での首相演説に関しては、長官は「主として環境問題だが、アジアの政治経済の状況やアフリカの開発問題、保健衛生など地球規模の問題など幅広く触れることになる」と指摘した。

温暖化防止の支援策、近く発表・官房長官表明

政府は8日、自衛隊の海外派遣を随時可能にする恒久法制定の本格的な検討に入る方針を決めた。町村信孝官房長官、高村正彦外相、石破茂防衛相が同日、閣議後に首相官邸で会い確認した。自衛隊によるインド洋での給油を再開させるための新法案が今国会で成立するのを踏まえ、具体的な議論に入る。
 町村長官は閣議後の記者会見で「特別措置法では迅速性に欠けるという批判があり、恒久法の必要性は理解されつつあるが、まだ詰めた議論をやっていない。政府でも与党でも詰めた議論をやっていく」と強調した。

自衛隊の海外派遣、恒久法を本格検討へ・政府

公明党の太田代表は2日、東京・新宿で街頭演説し、衆院解散・総選挙について「秋以降が望ましいと常に言ってきた。政治の停滞をさせてはならない。政策実現に全力をあげる」と語り、当面は政府・与党が実績を積むべきだと訴えた。具体的には「10年までの3年間で給与所得を過去最高の水準に持っていく」とし、大企業に対して利益を社員に還元するよう働きかけ、若年層の非正規雇用解消に力を入れる考えを示した。

解散・総選挙は秋以降に 街頭演説で公明・太田代表