2007年12月アーカイブ

民主党が今国会で参院に提出した13法案のうち、成立は改正被災者生活再建支援法の1本にとどまりそうだ。マニフェスト(政権公約)を法案化して提出し、与党に実現を迫る「法案の嵐作戦」は不発に終わる見通し。参院第1党になった民主には今国会で「3つの壁」が浮かび上がった。

 思わぬ障害となったのが「慣例」の壁だ。参院は法案の委員会への付託を議院運営委員会が全会一致で決めるのが慣例。今国会では与党が「事前の説明が不十分」などとして付託をなかなか認めない例が目立った。民主は26日に障害者自立支援法改正案など4法案の付託を7年ぶりに多数決で議決したが、保険業法改正案など3法案はまだ付託されていない。(

民主の「法案の嵐作戦」不発、慣例・衆院・野党共闘の壁

 自民、公明両党は27日午前、国会対策委員長会談を開き、来年度予算案の関連法案のうち、ガソリンにかかる揮発油税の暫定税率を継続するための道路関連法案を前倒しで提出することで一致した。例年、政府は2月に提出しているが、来年は1月中下旬に提出する方向で調整する。1月中の衆院通過を目指す。
 同法案が1月中に衆院を通過した場合、参院送付後60日経過すれば参院が否決したとみなせる憲法の規定を適用できる。衆院で3分の2以上の賛成で再可決すれば年度内の成立が確実になるため、与党は先行処理に踏み切ることにした。

道路暫定税率維持の法案、前倒しで提出・与党が一致

生活保護行政に絡んだ孤独死が05~07年に3年連続で発生し、厚生労働省や第三者委員会から「不適切」「過ち」などと指摘された北九州市で、北橋健治市長は25日、発生時に保護行政を担当していた保健福祉局長ら幹部職員計7人を「配慮に欠ける点が認められた」として同日付で文書訓告などの処分にした、と発表した。
 処分は、現・前の保健福祉局長の2人を文書訓告としたほか、同局地域福祉部長と同局参事の2人、保護課長歴代3人の計5人を口頭による厳重注意とした。
 この日の定例会見で北橋市長は「深くおわびしたい」と謝罪したうえで、処分理由について、明らかな法令違反や職務義務違反は認められず、地方公務員法に基づく懲戒処分(戒告以上)には当たらないと説明。だが、厚労省や市の第三者委から「不適切」などと指摘されたことを重視し、一連の対応は長年の慣行の積み重ねによる組織的なものだったと判断、幹部職員に結果責任を問う形にしたという。
 北橋市長は「過去から続けてきたことを一刻も早く転換し、再出発することが大事。救うべき市民は必ず救うことで責務を果たしていきたい」と述べた。
 市に対しては今月、厚労省が3件の孤独死以外でも「不適切な事例」があったことを指摘し、第三者委も今月20日、市の対応を批判する最終報告を出した。
 07年に同市小倉北区で起きた孤独死については、保護問題に取り組む市民団体が8月、保護行政の現場の責任者である小倉北福祉事務所長を、保護責任者遺棄致死などの容疑で福岡地検小倉支部に告発している。

生活保護行政で謝罪、幹部職員7人を処分 北九州市

政府は24日、福田政権として初めて編成した08年度予算案を閣議決定した。一般会計総額は前年度比0.2%増の83兆613億円。新規国債発行額は前年度比0.3%減の25兆3480億円と、特別会計などのやりくりを通じて4年連続の減少を確保した。歳出項目には、農家への助成拡大など、視野に入ってきた総選挙への対策も目立つ。政府案が提出される年明けの通常国会で、与野党の攻防が強まりそうだ。
 一般会計総額は2年連続の増で、当初予算では過去2番目の規模。
 総額が増えたのは、社会保障費の伸びが大きい。2200億円を圧縮したものの、少子高齢化に伴う自然増を吸収しきれず、3%増の21兆7824億円に上った。教育予算である文教費は、小中学校の教員定数を3年ぶりに1000人増やすことなどで同0.3%増の3兆9494億円。一方で、公共事業費は同3.1%減の6兆7352億円となり、当初予算ベースでは87年度(6兆824億円)以来の水準に。小泉政権下で決めた歳出削減目標は達成した。

08年度予算案を閣議決定 一般会計総額2年連続増

財務省が20日発表した08年度の国債発行計画によると、過去に発行した国債の返済に充てる借り換え債や財投債を加えた発行総額は、前年度の当初計画より12.2%減の126兆2900億円となる。減額は3年連続。減額幅(17兆5480億円)は07年度に続く過去2番目の大きさで130兆円割れは8年ぶり。税収の伸びは鈍ったが、新規発行の国債を減らすなど抑制基調を維持した。

 ただ、普通国債残高の増加は止まらず、08年度末時点で前年度末見込みに比べ1.1%増の553兆円に達する見込み。

 08年度の発行額は、財政投融資の資金源となる財投債が前年度当初計画比54.8%減の8兆4000億円。郵便貯金や公的年金が毎年度一定額の財投債を引き受けてきた措置が、07年度で終わる影響が大きい。借り換え債は同7.3%減の92兆5420億円。個人向け販売分は同1.8%減の8兆円を見込む。

 08年度は財政投融資特別会計の積立金9兆8000億円を取り崩して国債返済に充てる。これにより10年度以降、国債返済や利払いに充てる費用が年間3000億円浮くという。

国債総額126兆円 08年度、過去2番目の減額幅

総務、財務両省は17日、08年度に自治体へ配分する地方交付税を3年ぶりに前年度より増やし、15兆4000億円程度とする方向で最終調整に入った。地方税収入の伸び悩みや都市・地方間の税収格差に配慮する。交付税特別会計の借入金返済の中止か減額で、財源をつくることを検討している。

 地方交付税の配分は07年度まで2年連続で7000億~1兆円減額しており、07年度は15兆2000億円。税収不足の自治体から回復を求める声が相次ぎ、与党内からも増額の求めが強まっている。

 交付税特会は、過去に地方の税収不足を補うため借金を続け、06年度補正予算と07年度当初予算で返済を始めたばかり。最終的な返済責任は地方にあり、返済の速度が鈍れば地方の財政再建シナリオが狂う恐れがある。

地方交付税、2000億円増 3年ぶり、最終調整

政府は17日、福田首相の指示による消費者・生活者重視政策「生活安心プロジェクト」の関係閣僚会議を開き、緊急対策を決めた。大地震で倒壊の恐れがある公立小中学校約1万棟を5年間で改修することや、食品の不正表示を監視する「Gメン」の新設などが柱。各省庁が進めてきた政策についても実施時期や数値目標を明示し、08年度予算案に反映させる。
続発する食品偽装事件を受け、農水省に専門チーム「食品表示特別Gメン」をつくり、全国の製造現場や販売店に派遣して調査する。輸入食品の安全性検査強化のため、検疫所の食品衛生監視員も増員。輸入食器などから基準以上の鉛の検出が相次いでいることから、これらの規制も厳格化する。
食品表示監視「Gメン」を新設 消費者政策、政府が決定

福田首相は13日の参院外交防衛委員会で、「宙に浮いた年金記録」の照合作業の遅れは自民党が7月の参院選で掲げた公約に違反していないと発言したことについて、「正直申しまして公約で(年金記録問題を)どう言っていたのか、ちょっと頭にさっと思い浮かばなかったからそう言った」と釈明した。年金記録問題が再び政治問題化する中で、野党はさらに攻勢を強めそうだ。
年金記録問題では、5000万件の「宙に浮いた年金記録」のうち、照合困難な記録が約4割に上ることが判明している。このため、年金記録について「今後1年間ですべての統合を完了させます」などとした自民党の参院選公約に違反していると指摘されている。

首相「公約、さっと思い浮かばなかった」 年金記録問題